千葉県の松尾横芝ICを降りて車で6km。田んぼや畑など豊かな自然の中にある洋風な一軒家の外観で、隠れ家的な場所に位置しながら食べログでは千葉県人気No.1を獲得した本格イタリアンレストランです。千葉県の地産地消、いわゆる千産千消な食材を扱うためメニューは決まっておらず、その日に仕入れた旬な食材を使ってフルコースを作り上げます。今回はその一部を紹介しましょう。
食材にこだわるUshimaru
Ushimaruの食材は千産千消。それもただ千産千消ではなく従業員が仕入れを直接行っているそうなんです。茶葉を積みに行き、海老は漁師から直接仕入れます。牛は特別に育ててもらって1頭丸ごと仕入れて自ら解体し加工します。近くの生産者との信頼関係を築いているからこそできる仕入れ方です。お料理が運ばれてくる時にそのような説明をしてくださるので、味覚・嗅覚・視覚だけでなく食材のエピソードまで楽しめるのがUshimaruの魅力でしょう。
6月の食材を使ったディナーコース
6月の後半にUshimaruへ行き、ディナーコースを楽しみました。そこで出てくる料理達はどれも見たことのないような食材ばかり。また使用した食材を見せてもらえるので食欲だけでなく知識欲まで満たされてしまいます。テーブルを一緒に囲む家族や恋人、友達との会話も弾むので忘れられない大切な1日になりますね。
1品目
ながらみとメロンを使ったオードブルです。ながらみとは巻貝の一種でお皿の下に置かれているのがながらみの貝殻ですね。メロンはまだ若く熟していないものを敢えて使って食感を楽しみ前菜に合うようにしています。食材の元の姿がわかるような盛り付けで、さっそくUshimaruらしさを感じられました。
2品目
岩牡蠣のスモーク仕立て。夏が旬の岩牡蠣をそのままスモーク仕立てにした1品です。岩牡蠣は関東では千葉の銚子が産地として有名ですね。真牡蠣と違って大きくてジューシーなのが特徴です。
3品目
枝豆とあいたけです。あいたけはベニタケ科のキノコで運んでいただいたお兄さんに「見た目が意外で面白いですよ」と教えていただきました。気になる方は調べてみてください。ちょっと食べれるのか不安になる見た目をしていますが、とても美味しかったですよ。
4品目
コノシロとアーティチョーク。コノシロはあまり聞き慣れない名前かもしれませんが、出世魚の一種で小さい頃はコハダと呼ばれています。コノシロまで大きくなると傷みが早くなってしまうため港の近くでしか食べられない魚になります。アーティチョークはたまに売っているのを目にしますね。キク科の植物のつぼみで、ホクホクとしたまるで芋のような食感になります。
5品目
入梅イワシとコールラビ。入梅イワシは字の如く梅雨に入る時期のイワシで一年の中で最も美味しい時期と言われています。中でも銚子はイワシの水揚げ日本一で脂の乗りも他とは違うのだとか。また、料理にする前のコールラビを見せていただきました。こうやって食材を知ることができるのもUshimaruの楽しさですね。
6品目
とうもろこしとアンズダケのスープ。アンズダケは杏子の香りがすることからその名前がついたそうです。これもまた実際に持ってきて見せていただきました。確かにちょっと杏子のような香りがします。これも近くの林で採れるそうなのですが、シェフは絶対にその場所を教えてくれないのだとか。アンズダケの場所まで目隠しをするのなら連れて行ってもいいと言われているらしいです。
7品目
ここでフォカッチャが焼き上がりましたと運んできてくれました。その大きさにどのテーブルのお客さんもびっくりしていましたね。その場で切り分けた時の湯気とパンの香りで本当に焼き立てなのだとわかりますね。ちなみに、手前の食パンは写真でサイズがわかるようにと運んでくれたお兄さんが置いてくれました。
8品目
房総地鶏のたたきと卵巣 ミズ。房総地鶏の卵巣をアンチョビに漬けたものが上に乗っています。ミズは山菜の一種で山や森で採れます。トロッとした食感があって房総地鶏のたたきによく合いますね。
11品目
マゴチとホンダワラ。また知らない食材が出てきました。ホンダワラは海藻で歯応えのある食感でした。そして「こちらがマゴチです」と運ばれてきたのが下の魚。実はマゴチは筆者も知っていました。普段は砂に隠れていますが、夏には海岸でもよく獲れるため釣り人には馴染みのある魚かもしれません。夏のマゴチは高級魚として人気があるほどです。
大切な人と大切な1日をUshimaruで
今回はコースの一部を紹介しましたが、このような楽しい料理が15品以上出てきました。この他にも知らない食材や珍しい食材を使った美味しい料理がたくさん出てきます。もちろん次に来る時には何が出てくるかわかりません。そんな料理1つ1つを楽しめるUshimaruにはぜひ大切な人と来てみてください。この楽しい時間を共有したら忘れられない1日になることは間違いないです。隣のテーブルのお二人も結婚記念日で訪れているようでした。都会のレストランもいいですが、自然に囲まれながら地産地消の食材を美味しく頂くのも素晴らしいものです。周りにはそれこそ豊かな自然や観光スポットも多くあり、そのためにUshimaruはオープンカーのカーシェアサービスまで行ってます。東京から電車で2時間20分。決して近くはないですが、それでも多くの人が訪れる理由がこの店にはあります。
Ushimaruホームページは→こちら
